天にあっては願わくは比翼の鳥と作らん
    地にあっては願わくは連理の枝と為らん 

-----長恨歌-----

 

 

一緒に、どこまでも飛んでいこう。

2人なら、どんな高みにだって行けるから。

もし・・・そうだな。

どっちかの翼が傷ついて、飛べなくなったら。

一緒に地上に堕ちればいいよ。

堕ちたって、2人一緒ならまた飛べるようになる。

もし・・・もしも。

飛べないままだったら、地上に根を生やしちゃえばいい。

しっかりと根を張っちゃうんだ。

きっと別々のところに在っても、どれだけ間に隔たりがあっても。

お互いを見つけるまで、ずっとずっと枝を伸ばし続けるよ。

相手のところまで辿り着いたら、枝を絡ませて、また一緒に進んでいけばいい。

 



「ほら」と塔矢が手を出したから

「塔矢、俺と手ぇ繋ぎたいの?」

素朴な疑問だろ?だって俺の目の前に手が差し出されてるんだから。

 

「進藤が繋ぎたいって言ったんじゃないか。別に繋ぎたくないならいい」

繋ぐに決まってんじゃん。「繋ぐ!手、引っ込めるなよ」

 

だけどこの繋ぎ方はなあ・・・・想像してなかった。

やっぱ塔矢って変だ。

「あのさー、おまえ普段から友達とこういう手の繋ぎ方するの?」

腕を交差して、指をさ、1本ずつ絡めてるんだけど。

だからお互い、相手に・・・時々手の甲が触れる。

普通、カップルでやるよな、こういうの。

 

「手を繋ぐなんて行為、最近はしないから分からない」

眉間に皺を寄せ、俺に横顔を見せたまま答える塔矢。

んー、聞かなきゃ良かったかな?離されるかな?

離される前に離しちゃおっかな。

で、今度は俺の方から繋げばいいんだ。

 

一瞬、指の力を抜いて手をつ、と上げようとした。

そしたら塔矢の指が。

俺の手をぐっと引き寄せるように力が入る。

ちょっとびっくりして塔矢の方をまた見たら。

相変わらず仏頂面でしっかりと真正面を見据えながら無言で歩くばかり。

 

だけど塔矢。

繋いだ手がさっきより温かく感じるのは俺の気のせいかな?

 

 

知ってるか?塔矢。

俺たちは半身同士だけど、更にもう半身がいるんだ。

おまえに逢わせてくれた、俺の半身。

それはおまえの半身でもあるんだ。

彼はもういないけど。

俺たちの中に確かにいるんだよ。

比翼連理

紅葉(くれは)様に頂きました!
あっああありがとうございます〜〜っ♪(感涙)
紅葉様のサイト「紅木蓮」にて公開されている小説、「比翼の鳥」の続編です。
前向きなヒカルの心にグッと来て、拝読している最中にも切なさがこみ上げてきました。
何時だって一緒。
アキラとヒカルはライバルだろうと友人だろうと恋人同士だろうと必ず最後には二人で一つ。
共に生きる存在なのですよね!
そして彼等の間にはいつも「彼」の存在が・・・そんな三人の関係が大好きです!
少し鈍い感じのアキラがまた良い味を・・・
紅葉様、本当にありがとうございました!

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